「扇供養」
2014年6月
今年も5月17日(土)爽やかな晴天に恵まれ、甲山大師「神呪寺」にて「扇供養」の行事執り行われました。
この「扇供養」は先代花柳芳瞠師(四世花柳芳次郎)が、この神呪寺に扇塚を建立し、先代から受け継ぎ数十年に渡る流儀の大行事となっております。当日はお家元より、先代のお扇子にまつわるお話など伺いながら、古くなったお扇子を燃やし、その灰を灰塚に収め、お供養致しました。
『舞踊家にとってお扇子は、侍の刀と同じ様に、魂ともいうべき大切な、且つ神聖なものなのです。更にお扇子には‟末広がり”という意味の他に、人間に礼を教え、知恵を授け、孝を説き、堅固な意思を諭す徳がある(中略)お扇子はこの様な五つの教訓を人々に教えているものです。言い換えれば舞踊家にとってお扇子は、実物の小道具を簡易化した代用品ではなく、逆にお扇子こそ本格的な持ち物であることを、しっかりと胸に収めて、大切に扱ってほしいもので、お扇子にはそれを持つ人の魂が入っているのですから、お扇子を跨いだり、足蹴りにするのは以ての外だと思います。』
四世花柳芳次郎著作より